転職した話

ブログを書いては消して書いては消してをしてたけど、久々に書こうと思います、夏侯惇


1年前に書いたブログでは、10年以上やってきた建築設計の仕事を辞めたことを書きました。

その時は本当に建築はもうダメだ、あの世界には戻らないと強い決意をしました。

そして、数ヶ月ですが、別の仕事をして、今の仕事に就くことができました。


今の僕の仕事は、福祉のお仕事です。

福祉の仕事というと介護だったりをイメージする方がいると思います。

あまり詳しくは書きませんが、まぁいろいろサポートをする仕事です。

人前にも立つし、外出もするし、デスクワークもあるしで色々やってます。

まぁそれなりに楽しくやってます。


未経験で入社したからと言うのもあって慣れるのは大変でしたが、人生その気になればなんとかなるもんですね。


入社を決めたきっかけですが、転職活動をしていた時、正直やりたい事なんて無かったです。だからなかなか上手く行きませんでした。

30歳にもなって退職して、離婚して独り身で、やりたいことも無くて、本当に人生詰んでるなーって思ってました。

建築を辞める時、支店長から「やりたい事が見つかるまで会社に居ればいい」と言われたのを断りましたけど、やっぱり見つかりませんでした。

でも、あの時「転職活動に失敗しても建築を辞めることに後悔は無い」と言ったこと、それは嘘ではありませんでした。

とは言え、やりたい事、自分にできる事、分からないまま時は悪戯に過ぎていくだけでした。

そんな時、今の会社の求人を見ました。

給料とか休日とか色々条件良くて、目を引かれたけど、気になる一言が。

「CADが使える人を募集してます」

僕は二度と図面を書かないと決めて退職をしたので、この求人はスルーだな。とページを閉じました。

それからしばらく求人検索してたけど、なかなかコレというのがなくて、非常に困ってました。

そんな時、思いつきで、もう一度あの求人を見ました。

またしても目に入ってくる「CAD」という文字。

僕はうーん、うーんと悩みました。

もう二度と図面を書かない、それ以前にこの仕事に見合うだけのスキルもない。僕は技術者としては2流どころか3流だという自覚があった。

でも、だけど、やっぱり自分にはこれしか無いと段々思うようになった。

15歳から建築の勉強して、図面書いて、社会に出て、色んな図面書いては怒られ、書いては自信を無くし、書いて書いて書いてきた。


前職で、あまりにも自分に自信が無くて周りを困らせてるんじゃ無いかと不安になることがあった。

「僕が書くの遅くてすみません。ちゃんと書けなくてすみません」

その時先輩はこう返した

「そういうのいいから。求めてないから」

「俺は図面が書けないから君にお願いしてる。君にしかできないから君は今ここにいる。でも君にできないことは俺がしてる。そうやって仕事は成り立つんだよ」

「100点の図面じゃ無くてもいいじゃん。自分の思いがあって書いたのならそれはとても意味のある事だよ。その上で何かあれば俺がチェックする。だからトライ&エラーでやって行こうよ」

「君はとてもいい図面を書く。ちゃんと仕事の進め方をわかってる。だから頼りにしてる」

先輩は色々僕に教えてくれました。

時に褒め、励まし、叱り...

僕のこれまでの仕事観がガラッと変わり、新しい気持ちで仕事ができるように、図面が書けるようになった。

この先輩の事は今でも尊敬してる。


話は戻って、その求人で悩んでた時、その先輩の言葉を思い出した。

「君にしかできないこと」

僕にしかできないこと、僕だからできること。

転職活動をしていて自分には何も無いと思ってたけど、そんな事なかった。

自分は図面が書ける、CADが使える

この仕事は未経験で知らない世界だけど、きっと自分にできる事はある。僕には図面を書くスキルも、建築の知識も、経験もある。

成功だけじゃなくて、失敗や挫折、色んなことを活かし、伝えることができる。

それが知らない誰かが変わるきっかけに、前に進むきっかけになるなら、もう一度図面を書いたっていいじゃん。

そう思うようになった。

福祉に関してはそれ以外にも思うところがあったから、この求人に応募することにした。

建築を、図面を捨てる覚悟をしたけど、もう一度やる覚悟を、拾う覚悟をした。


面接をして、結果内定を貰えた。

後から聞いた話だけど、「CADのスキルはイマイチ」という面接内容だったらしい。

おかしいな〜、CADは4種類使えるんだけどなぁ笑とか思ってたけど、それでもよかった。

周りからどんな評価をされても何を言われても関係ない。その人たちにできないことを僕はできるし、他者の期待を満たすために働いているわけでも、ましてや生きてるわけでもない。

大事なのは何なのか、自分で分かってる。

そこがブレなければ平気でいられる。

僕は僕のために、僕のやりたいように仕事をする。

いつか先輩が言ってくれたように、自分のできることを自分らしくするだけ。


今の会社に入って、CADのテキストを12本、その他のテキストを数本作ったけど、僕は自分の仕事に自信を持ってる。

そのテキストで仕事をして、誰かに少しでも伝わるといいなと思ってる。

ありがたいことに、誰かの「これから」のきっかけになることができた。


昔の僕のままならきっと今の仕事に自信がなかったと思う。

でもそうじゃない。先輩に叱られたあの日、捨てた図面を拾う覚悟をしたあの日、僕は変われた。

変われる強さがある。変わらぬ想いもある。

これからもそんなことを伝えて行けたら、そう仕事できたらいいなって思う。


何言われても平気とは言ったけど、まぁそのうち見返してやるからなとだけは思うかな。

僕は心が狭くて性格が悪いから、根に持つから

どんだけ周りに嫌われても馬鹿にされても、自分らしく自分のやりたいように自信を持って働く事は変わらない。結果なんて後からついてくるし。今はその過程を楽しむことにするよ。


繰り返しになるけど、僕は転職したことになんの後悔もない。

失敗はたくさんしてきて、失ったものもたくさんあるけど、何一つ後悔はしてない。

今の仕事をしていて良かったと思います。

大切な彼女も今の会社で出会うことができたしね。

それはまた別のお話。


長くなったけどここらへんで終わります。

とにもかくにも、それなりに楽しんでます。

これからもそれなりの熱量でそれなりに仕事をこなしてそれなりの時間に帰って彼女との日常を楽しみます。


あー、早くボーナスでないかなぁ